大人のスーツ学とは?
ビジネス、プライベートにおいて、スーツを着こなすために最低限必要となる、知っておいて損のない、基礎知識をお届けしています。大人のスーツ学を学ぶことで『正統派』と呼ばれるベーシックなスーツの着こなしを学ぶことができます。
前回はパンツのウエスト周りについて書きましたが、今回は『流行りのパンツの丈はマナー違反?失礼のないベーシックなパンツ丈と靴のバランス』について書いております。
足元のキレイさはスーツスタイルの基本です。裾上げし過ぎてソックスが見えていたり、逆に裾丈が余ってだらしない格好になっていませんか?締まりのないスーツパンツは、一気にオヤジ度が増してかっこ悪くなります。
最近のファッションのトレンドとしてくるぶし丈のパンツが流行っていますが、スーツスタイルにおいてもくるぶし丈のパンツが多くなっています。
しかし!!!この細身のくるぶし丈のパンツはビジネススタイルにおいてマナー違反だと知っていましたか?今回は適正のパンツの長さ、ベーシックなパンツ丈と靴とのバランスを知って頂きたいと思います。
靴と前裾のバランスが最重要!!!これが本当のベーシックスタイル!
【GOOD】靴の甲に前裾が少し掛かり「く」の字になるような状態が基本。後裾は靴のかかとからできるだけ離れないように。
近年はタイトスーツが人気のため、パンツの裾も短めがトレンドになっています。しかし、ビジネスマナーを考慮するなら、パンツの長さは「ワンクッション」が正解です。
クッションとは、靴を履いたときにすねにできるパンツのくぼみのことで、ここがひらがなの「く」のようになるのがベストです。これが軽くひとつできる状態がワンクッションです。目安としては靴の甲に触れるくらいの長さ。歩いていてももたつくことがなく、ソックスが見えにくいのも特徴です。
丈の長さは長過ぎ、短過ぎ両方ともNG!!
【長過ぎBAD】丈が長過ぎると、生地がもたつき、クッションが多く入ってしまうので、だらしなく見えてしまう。また、足が短く見えてしまうこともある。
【短過ぎBAD】丈が短過ぎると、幼稚で貧相な印象を与えてしまう。靴下はあくまで下着なので見えすぎには注意が必要です!
パンツの丈の長さの判断基準として、裾のくぼみがふたつできる「ツークッション」は長過ぎる証拠。シルエットが悪く、野暮ったい印象を与えると同時に、パンツの裾口も痛みやすくなるので避けたほうがいいです。足が短く見え、だらしなさやカッコ悪く見える最大の原因になるので絶対にやめましょう。
また逆に、ソックスが見えるほど短い裾丈もNGです。立った状態でソックスが見えないことがスーツの基本ルールです。最近の流行を取り入れたカジュアルな私服とビジネスマナーを考慮したスーツスタイルは一緒ではないのです。ビジネススーツのスタイルにおいて、ソックスが見えない長さの丈を選ぶことはとても重要なことなのです。紳士たるものソックスを見せないというのが礼儀です。
裾のシングルとダブルの違いは?
【シングル】シングルタイプとは、写真のようなパンツの裾がストレート形状のものを指します。スーツのモデルによっても違いますが、パンツの裾のスタンダードはシングルです。これは「フォーマルシーンでの裾上げはシングルが正式」ということに由来しています。もちろんビジネスにもしっかり対応できるため、汎用性の高さが魅力です。近年のトレンドである細めのパンツには、シングルのほうがバランスが良いと言われています。
【ダブル】ダブルタイプとは、パンツの裾に折り返しがあるタイプのものを指し、ダブルの裾はややカジュアルな雰囲気になり、こなれた印象を与えます。トレッドなスタイルのブランドではダブルに仕上げることが多く、スーツのほか、ジャケットやブレザースタイルにもマッチする仕上げです。ただし、このダブルタイプのパンツの裾は、フォーマルなシーンには向かないという考え方もありますので、履いていく場所やシーンによって使い分けるようにしたほうがいいでしょう。
TPOに応じた裾のタイプと適正な丈で恥ずかしくないパンツスタイルを
今回はスーツのパンツの適正な丈の長さと、バランス、裾のスタイルの違いについて書かせていただきました。
まとめると
- 裾の長さのベーシックなスタイルは、靴の甲に前裾が少し掛かり「く」の字になるような状態である。
- 裾が長いと生地がもたつき、だらしない印象を与えてしまう。足が短く見えてしまう。
- 近年のファッションのトレンドである「くるぶし丈パンツ」の流行をスーツスタイルに取り入れた裾が短いソックスの見えるスタイルは、マナー違反である。
- パンツの裾のスタンダードはシングル。ビジネススタイルにも対応していて汎用性の高いスタイル。
- ややカジュアルでこなれた雰囲気を出すならダブル。ジャケットやブレザースタイルなどにマッチするが、フォーマルなシーンには向かない場合もあるので注意が必要である。
トレンドなどに左右され本当のベーシックスタイルが忘れられがちなパンツの裾ですが、本来の恥ずかしくないスタイルが何なのかが今回の記事でわかっていただけたでしょうか?
本物を知ることで、真の紳士になっていただきたいと思っています。
オーダースーツ研究所は、あなたの魅力を引き出すスーツに出会える事を願っています!