スーツの歴史を写真とともに。スーツのスタンダードはイギリスからはじまった。

スーツの基本

2017.08.07

オーダースーツ リクルートスーツ

私たちがよく目にする「スーツ」も起源をたどると、
19世紀初頭にはじまり、その時の時代、トレンド、
時勢などの影響を受け、日々変化しながら、普及してきました。

 

今日は、歴史を振り返りながら、スーツの在り方について、
お話をしていきたいと思います!

開国は諸外国の近代化を知るきっかけ

日本の歴史をたどると、長い間にわたり鎖国をしていたわけで、
諸外国の文化を知ったのは、開国がきっかけになります。

 

鎖国の間は、長崎にある出島にて、
オランダやポルトガルと貿易を行っていたので、
本当に限られた情報だけが入って来ている状態でした。

 

1854年にペリーが来航したことで、日本は約200年の鎖国を終えました。
ちなみに、ペリーはアメリカ海軍ですので、こちらは軍服になります。

そして、1859年にハリスも来航します。
ちなみに、ハリスはアメリカの外交官になります。
ペリーとハリスの服装が異なるのは、
立場の違いということが分かりますね。

日本がこの時代に何を着ていたかというと、
もちろんお侍さんなので、着物を着ていたわけです。
▼こちらの写真は日米修好通商条約での1枚です。

右端に写っている方は「フロックコート」を着用されています。
スーツの源流であるフロックコートは15〜16世紀頃がスタートと言われていますが、この頃には「燕尾服」や「モーニングコート」も誕生しています。

大切な条約の締結時にこちらの服装ということもあり、
お互いに正装であることが分かります。

諸外国からグローバルスタンダードを学ぶ

明治時代になり、直に西洋文化や思想に触れて、
日本との違いを学ぼうと「岩倉使節団」が海外に渡りました。

この中には(左から)木戸孝允、山口尚芳、
岩倉具視、伊東博文、大久保利通らがいました。

西洋に渡る際には、岩倉具視以外は、みな洋装で向かいました。

 

中でも、岩倉具視は日本の良き文化を重んじて和装をされていたそうです。
ですが、渡航の途中で洋装になり、岩倉具視が断髪したことをきっかけに、その噂を聞いた日本では、断髪を決意した高官や政府関係者も多くいたそうです。(今思うと、すごい影響力ですよね…)

 

帰国後に政治・経済・科学・教育・文化など様々な分野で活躍し、
この方たちを中心とし、文明開化が加速していきました。

 

鎖国を経て、おそらく諸外国との差をたくさん感じたのだと思います。
そして、多くのことを諸外国から学ぼうと、
その時代のグローバルスタンダートを積極的に取り入れていたはずです。

 

と言っても、洋装をしているのはごく一部。
日本のほとんどは和装、つまり着物を着ている方がほとんどだったはずです。

 

スーツのお話は、ヴィクトリア朝の歴史、
変遷も語りたいところですが、それは今回割愛して、
日本に焦点をあてて、このままお話を続けていきますね!

 

20世紀に入るころには、フロック・コートやモーニング・コートよりも、
ラウンジ・スーツを着用する方が増えて、現代のスーツの原型になっていきました。

 

明治〜大正〜昭和と、時代によって変わる服装

1940年代〜アメリカのスーツカタログも残っているのですが、
ニューヨーク公立図書館
この頃には3ピースのスーツがスタンダードとして着用されています。

確かに、明治時代の文明開化、大正時代と、
洋装が普及していたものの、
洋服を着用していたのは政府高官や富裕層のみ。

 

一般男性に関しては、なかなか洋装は普及しませんでした。
私たち一般に「洋服」として馴染みが出てきたのは、
軍服や制服、学生服の普及が大きく影響していきます。

 

ちなみに大正時代の「モダンボーイ」と呼ばれる人たちは、
スネークウッドのステッキにイートンクロップ(七三分け)の髪型、
ロイド眼鏡、青いコンチネンタルスーツに中折れ帽(夏はパナマ帽)、
ラッパズボンのモボと呼ばれていたそうです!

この後、日本は第二次世界大戦に突入していき、
洋装や華美な服装は禁じられるようになりました。
今の洋服、ファッションの文化は戦後になり多様化していきました。

 

スーツが一般化したのは1960年代

1960年代までは、スーツと言えば、オーダースーツでした。
1960年代一世を風靡した「ハナ肇とクレイジーキャッツ」を見ても
スーツを着こなされているのが分かります!

1970年代になり、工業が発達し、工場での大量生産が進み、
良質的なもので、低価格なものが、より一般的になっていきました。

 

1970年代の写真を拝見していると、
「ドリフの大爆笑」が印象的ですね。

あぶない刑事で見る、スーツの変遷

最後に、スーツの変遷をたどる上で、
分かりやすいものがありましたのでご紹介させて頂きます。

ドラマ『あぶない刑事』になります!
主演は舘ひろしさんと、柴田恭平さんですね。
スーツに注目すると時代を感じることができます。

1980年代

ダボっとしたダブルスーツ。
肩パットが入り、細身のネクタイ。

1990年代

柄物のシャツ。バブル期を感じさせます。
この頃に、ヴェルサーチやアルマーニなどの、
イタリアブランド、デザインが流行りました。

2000年代

最近ではスタンダードになっている、細身のスーツ。
しっかり身体にフィットしています。

実は、日本は途中から、日本独自のスーツの進化を遂げているんです。
スタンダードのスーツの着こなしが出来ること、
流行だけではなく、本当に似合うスーツの着こなしができる
大人の男性を多く輩出していきたいと考えています。

あとがき

イギリスの「フロックコート」や「燕尾服」などの正装が、
時代とともに、簡素化しながら、
アメリカに渡り、より大衆化されました。

 

日本は開国とともに、西洋から学びながら、
自分たちの生活の発展とともに、
スーツが大衆化され、より身近なものとなり、現在につながります。

 

ここで大切なのが、
イギリスで生まれた正装としての役割が、
広きに伝わっていくうちに、簡素化し、簡略化し、
本来のスタンダードから少しずつ離れてしまっているということです。

 

時代とともに、スーツに求められている
役割そのものも変化していますが、
オーダースーツ研究所では、
「スタンダードなスーツの着こなしを提唱」し、
スマートにスーツを着こなす男性が
一人でも増えることを心から願っています。