意外に見られてる?スーツの袖丈の黄金バランスとは?【カフス・ジャケット編】

大人のスーツ学 基礎知識編

2018.09.27

大人のスーツ学とは?

ビジネス、プライベートにおいて、スーツを着こなすために最低限必要となる、
知っておいて損のない、基礎知識をお届けしています。大人のスーツ学を学ぶことで『正統派』と呼ばれるベーシックなスーツの着こなしを学ぶことができます。

 

本日、お届けするのは『ジャケットの袖丈・カフス(ワイシャツの袖口)』になります。手元・手首の部分というのは動きがある為、人の目線も集まりやすく、女性から意外に見られているポイントと言われています。

 

当然、日本人は清潔感のある方を好むので、注目されやすい袖のバランスが悪いと、周りに不快感を与えてしまうのです。だからこそ熟練のテーラーは「バランスよくワイシャツが見えた方がいい」とオススメするのですね。今回の2つの項目から自分の手首が美しくバランスのとれたものになっているかチェックしてみましょう。

 

今回の要チェックポイント
カフスの黄金領域は1〜1.5㎝

 

1、自然な状態で腕を伸ばして、黄金バランスをセルフチェック

○  理想の袖のバランスは、ジャケットの袖からワイシャツが1〜1.5㎝出るのがベスト。

まずはじめに、鏡で袖のバランスをチェックしてみましょう。意外にも、人それぞれで腕の長さが違うことに気が付くと思います。長さが違う理由としては、「なで肩・いかり肩・胸板の厚さ」などで袖の長さは変わってしまうからです。

 

またスーツを着て仕事をされる方は、自分が普段どのような動きをするのか考えることが必要になります。
シチュエーションに合わせて袖丈は選んでみてください。

 

例えば・・

 

商談の多い営業マンの方:座って商談に望むことの多い営業マンは、机に手を組む事も多くなります。スーツの袖丈が短いとワイシャツが見えすぎて不恰好になってしまいます。なのでスーツの袖丈を少しだけ長めに作ってもいいと思います。

 

印象として、ワイシャツが出過ぎると若々しく未熟な印象になるので、商談でお客様に安心感を与えたいと思う場合は、ワイシャツはバランスの取れた見え方が理想とされます。安心感を与えてより良い商談を進めて下さい。

 

 

デスクワークの多い方:逆にデスクワークの多い方は、スーツの袖丈を少し短めにすると良いと思います。デスクでパソコンを打つとスーツと机が擦れて大切なスーツが痛んでしまいます。対象法としてオフィス内ではスーツを脱いで、ワイシャツで作業する事もオススメです。外出の際にピシッっと羽織って外出するといいかもしれません。ドラマでよく見るシーンでご覧になられている方も多いと思います。

 

 

公演・セミナーなど人前で話す事が多い方:人前で話すテクニックとして、ジェスチャーを使う方がほとんどだと思います。手を動かしながら話をするので聞き手は自然と手を見ます。その時にワイシャツが見えた方が誠実な印象になります。サイズの合っていない不恰好なのスーツでのセミナーと美しいバランスのスーツでのセミナーでは、聞き手の印象とメッセージの届き方が全く違ってきます。

 

 

このように自分の行動パターンも考えながらスーツとワイシャツを選ぶ事で、日常の色々なシーンで理想の袖のバランスで好印象を与えることが出来ます。

 

 

2.「出すぎ」と「出なさすぎ」自分に合ったバランスが大切!
自分の腕の長さからの基準を知ろう

【袖丈のバランス】

×   シャツの袖が完全に隠れてしまう。これでは視覚的に腕が短く見えてしまう。

×   袖が見えすぎている状態。着こなしにアンバランス感が生まれるだけでなく機能的にも腕が引っかかり動きづらくなる。

 

街で見かけるサラリーマンの方にもあるのですが、袖丈の基準値を知らずに間違っているという認識なしに着こなしているケースは本当に多いんですよね。始めにも書いたように腕の長さはそれぞれの骨格によって変わってくるので、注意するポイントです!

 

基準値は手を自然と伸ばした状態で、「1〜1.5㎝」と言う基準値を覚えておきましょう。

 

スーツの袖から見えるワイシャツの理想1〜1.5cmはいつ頃からあるルールなの?

最後に納得の豆知識をご紹介していきます。「スーツの袖はワイシャツが1〜1.5㎝見えるのが決まり」などと色々な本に書いてあるのですが、それはいつからはじまったのでしょうか?

 

実はちゃんと理由があるのです。話は19世紀にさかのぼります。今が21世紀なので200年くらい前の話になります。時代で言うと、日本はまだ江戸時代になります。

 

21世紀になった今でもスーツを自分で洗濯する人は少ないと思います。もし洗ったとしてもその後、形を整えるプレスを出来る方は少ないと思います。今ですらそうなので、当然19世紀も同じです。つまりスーツは洗えないのです。

 

そして今の時代もワイシャツは洗えますよね?
19世紀もワイシャツは洗えたのです。同じですね。

 

「洗えないスーツ」に対して「洗えるワイシャツ」洗えないスーツは当然汚したくはないと思いませんか?

 

スーツの袖が肌について汗染みになるのを防ぐために、シャツを長くしているのです。

 

納得ですね。

 

スーツの決まりごとは、細かく、多いように思えるかもしれませんが、しっかりと論理的に機能的に考えられた結果なので、一度理解してしまえば、間違ったコーディネートで恥ずかしい思いをする機会はなくなりますよね。

 

細部に拘ったスーツはあなたから出る雰囲気すら演出してくれます。
オーダースーツ研究所は、あなたの魅力を引き出すスーツに出会える事を願っています!